日本財団 図書館


 

 

208-1.gif

 

 

暫定基準の舵計算は海上保安庁の研究3)によっているが、原論文では「この方法の適用範囲は推進器の直後に舵を装備したV型中速艇(主として2軸2舵艇)としたい」と述べているように、その基礎となったデータは約50トンの中速艇であり、小型高速の艇に対しては過大な舵軸太さを要求することになる。
舵軸太さを過大にすることは舵断面形の厚さを過大にすることになり、抵抗上の損失ばかりでなく、空気吸込、キャビテーション等の原因となり、旋回性能の不安定・低下の原因となるので極力避けなければならない。
表5.46に暫定基準によって計算した舵軸径dを示す。JG検査船、JCI検査船、暫定基準発布前のものを○印で示す。記人のないものは外国魚雷艇3隻を含み船舶安全法を適用されない船である。「掃海艇B」はこの計算では合格しているが、前記のように曲りが出ている。
(b)舵板及び舵骨
単板舵は舵軸を延長した舵骨に相当するだけ舵板を切り抜き、舵板切り口に開先をとって両面から全周溶接する。舵骨は舵板高さの少なくとも1/3まで挿入し、両側を削ってテーパーさせる。
1)赤崎繁:舵の直圧力とその中心について(第1報〜第4報)1造船協会会報第63〜69号=昭13.12、昭15,12、昭和16.6、昭16,12
2)丹羽誠一:高速艇の舵に関する研究:防衛庁技術研究本部設計資料:昭和34.3
3)中速艇の舵にかかるモーメントの推定法について:海上保安庁船舶技術部技術課:昭46.7

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION